リッツカールトンサービスを超える瞬間 高野昇著
(リッツカールトン元日本支社長)
ビジネス誌やレジャー誌にトップクラスの評価を得るホテルで従業員にとって、もっとも働きがいのあるホテル・カンパニーとして評価をうけています。
ベストエンブロイヤー賞
これは私がビジネススクールの論文の中心テーマでした。
従来の社会は会社が主で従業員が従という関係で従業員の主体性を引き出すべき
エンプロイセンタードとして30年以上前に提唱しました。
現在これをリッツカーヘルトンが具体的に組織的に仕組みづくりをして
内外から多大な評価を得ている結果です。
日本の企業からは生み出しえない仕組みです。
リッツカールトンのクレドカードのモットー
We Are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen
lZzt\.トンのめざしているものは、ホテルカンパニーの運営ではなく
新しいライフスタイルとしてのブランドを確立していくということなのです。
たとえば大阪のリッツカールトン。小さくしつらえたロビー、自動ドアのない玄関、
ちょっと分かりにくいエレベーターの位置、暖かいお部屋、
グルメをうならせるレストラン、など等すべて綿密に設計された「ラグジュアリー・ライフスタイルの
ブランド]の舞台装置なのです。
リッツカールトンはホテル産業ではなくホスピタリティー産業といえるでしょう
ホスピタリティーには
思いやりや親切心、心からのおもてなしという意味があります。
リッツカールトンが提供しているのは、設備や技術ではなく、まさに心そのもの。
リッツカールトンがお客様から高い評価をいただく最大の理由もそこにあるのではと考えています。
リッツカールトンでは、従業員もお客様として扱われることです。
ボストンの社員食堂では、入り口で黒服のスタッフが満面笑みで迎えてくれました。
Welcome to my dining room
従業員を内部顧客と呼び、同じ目線でお互いを理解しあう。
それがリッツカールトンのサービス哲学であり、普段からごく自然におこなわれていることでした。
- どうすればお客様に感動を与えられるか ・ 従業員が誇りと喜びを持てる職場環境とは何か
- お客様が言葉にされない願望を先読みして満たすためのチームワークとはどういうものか
豪華な建物と完璧なサービスマニュアルがあっても、こうした企業の無熱いパッションが根底に流れていなければ、ホテルが宿泊産業の域を超えることはない。
企業の心と魂が従業員を通してお客様に伝わって、初めてホテルはひとつのブランドとして昇華されるのです。
リッツカールトンの従業員は、クレド(信条)と呼ばれるカード(46ページ)を肌身離さず持っています。
クレドはゴールドスタンダードとも呼ばれ経営理念や哲学が凝縮されています。
リッツカールトンにおいてホスピタリティの実現、サービスを超える瞬間は、クレドの精神を
全従業員が共有して初めて成し得るものなのです。
2005年8月 高野昇
エピソード お客様がベッドで眠りにつかれる瞬間を大事にする
ビーフが苦手な家内が料理にまったく手をつけずにいたのに気づいて、ウエィターさんが鳥の料理は
いかがですか、といってそっと取り替えてくれた。家内のやつ感激して泣きそうだった。
コミユニケーションからすべてが始まる
リッツカールトンでは、さまざま機会にお客様と関係を築く努力をしています。
ドアマンもベルマンも、ウェイターも、あらゆる部署の従業員がコミユニケーションを積極的に取ることによって、お客様と強い絆をつくるように心がけています。
お客様に手伝ってもらうのもほすぴたりティのひとつ
小さいお子さんのいる家族連れのお客さんがルームサービスでお子さんがウェイターの無駄のない
プロの動きに興味津々の様子です。
リッツカールトンのウェイターなら、お子さんにこう声をかけるかもしれません。
お嬢ちゃん、良かったらお兄さんのお手伝いをしてくれないかな?
たいていのお子さんは嬉々として手伝ってくれます。
この様子を見ていたご両親も、にこやかにわが子の奮闘振りを見守ってくれます。
サービスの目的はお客様に快適で楽しい時間を過ごしてもらうことにあります。
そのウェイターおが退室したあと数分後に、こんどは別のウェイトレスが数種類のジュースをトレイに載せて登場し、「「さっきはお兄さんの手伝いをしてくれてありがとう。このジュースはホテルからお嬢ちゃんへのお礼です。こういう出来事があったときのご家族の朝食風景からは、笑い声が聞こえてくるような
き気しませんか?このような心配りで、その場の楽しい気持ちを、お客様の旅の大事な思い出まで高めて
いくのです。
会社都合のシステムからは感動は生まれない。
ホテルの食事のメニュー朝食で、ステーキと卵を三つ使ったオムレツを食べたいという男性と、メニューにない卵三つのスパニッシュオムレツを食べたいという女性がいたとします。それぞれのリクエストを聞いていたら厨房は大変とばかりに標準的なメニューを作って、お客様に押しつけてしまう。
お客様のわがままをいちいち聞いていたらキリがないと平気で言ってしまうマネージャーもいます。ただお客様の好みや感性は一人ひとり違います。
それにきちんと対応してこそ、心に染みるサービスを提供できると思うのです。
チームワークの良さが最高のサービスをつくる自分の担当外のことでも、リッツカールトンにはみんなで
同じ目的や感性を共有するための仕組みがあります。そのため自分のセクション以外で起きたことでも、ホテル全体の問題としてとらえて行動できるのです。
感謝の気持ちを再認識するネットワーク
最近日本でも時々耳にするようになりましたが、アメリカには一年に一度、二週間、セクレタリーズ・
ウィーク(秘書週間)というのがあります。その週間に、ボスたちは自分の秘書やアシスタントをランチに招待したり、何かをプレゼントを送ったりして日ごろの感謝の気持ちを伝える週間がああります。
その週間が近づくと今年はどこのレストランを予約しようかとか好きな食べ物はなんだったかな、などと、俄然忙しくなり楽しんでいます。
人の成功を手助けした数だけ自分も成功に近づく
アトランタ郊外に最初のホテルの準備していた際、近くのコーヒーショップでランチをとりながら
ミーティングをしていた時に素敵な笑顔でテキパキと仕事をこなしていた黒人ウェイトレスを一緒に働かないかと話しかけ会社設立の経緯、理念、哲学、夢について語りスカウトしました。
ホテルの開業の際ユニフォームに包んだ彼女の姿があり、五年後にはフロントの責任者になっていました。
リッツカールトンという自分たちの夢に才能のある人材を巻き込み、その才能をはぐくみ、そして個人としての成功に導いていく。現在も上席副社長として毎日を送りそのことを実践している。
感動を生み出す「クレド」とは
いかに感動を提供できるかがプロの仕事
全世界のリッツカールトンでは、お客様から感謝の言葉や手紙をいただくことがあります。
それらのエピソード事例を「ワォ・ストーリ」と呼んで全世界の従業員に紹介しています。
そのエピソードのひとつビーチ係が砂浜に並んだビーチチェアーを
片付けていました。そこに一人の男性客がやってきてこう告げました。
「今夜、この浜辺で恋人にプロポーズしたいんだ。できればビーチチェアーをひとつ残しておいてくれないか」ここまでは少し気の利いたホテルマンなら誰でも出来ることです。
ところがそのスタッフは違いました。彼は椅子のほかにビーチテーブルもひとつ残しておいたのです。
そしてテーブルの上に真っ白なテーブルクロスを敷き、お花とシャンペンを飾りました。
またプロポーズの際に男性の膝が砂で汚れないように、椅子の前にタオルを畳んでしいたのです。
さらに彼はレストランの従業員に頼んでタキシードを借り、Tシャツに短パンといういつものユニフォームから手早く着替えました。
手には白いクロスをかけ、準備を整えてカップルが来るのを待っていました。
ビチチェアーひとつのリクエストだったにもかかわらず、
サービスマニュアルが整いすぎていると、それにとらわれて、こういった臨機応変な応対ができにくくなる場合もあるかもしれません。
サービスを超える瞬間というのは、お客様が言葉にされないニーズまでも十二分に満たされたときなのです。
リッツカールトンのスタッフは、お客様自身ですら気づかれていない望みとは何なのか、それに対して
自分ができる最高のおもてなしとは何なのかを常に考えています。だからこそこのエピソードのようにお客様の感性に訴えるサービスを提供することができたのです。
このほかの例ではある記念日に三泊された夫婦がお花が好きな奥様の注文で、毎日違う花をアレンジしてお部屋に飾りました。
ここまではホテルの正規のサービスです。後日、ご主人だけがお仕事で一泊されたときスタッフはとくに
リクエストされたわけでもないのに、前回アレンジしたお花と同じものをお部屋に届けました。
「これはホテルからの贈り物です。よろしければ、この花を大好きな奥様へのプレゼントにお持ち帰り
ください」
ホテルが自分たちのことを気にかけてくれている。しかも前回頼んだお花の種類まできちんと覚えてくれている。小さなことでも、お客様の想像を一歩超えることによって、そこには思わぬ感動が生まれるのです。
クレドカードはどのようにして誕生したか
リッツカールトンは流行や場所に左右されずに、つねに良質のサービスを提供し続けようとするために、私たち全員が「クレド」(信条)に基づいて行動しているのです。
クレドはリッツカールトンの基本的な信念であり、時代が流れても、あるいは国や地域が違っても、ブレることはありません。クレドの精神が変わらない限り、リッツカールトンが提供するサービスも不変です。
クレドとはどういうものなのか。その前にリッツカールトンの歴史を簡単に紹介
リッツカールトンは「ホテリエのなかの王」と呼ばれたセザールリッツが
1898年にパリに建てたホテルリッツと、ロンドンのカールトン・ホテルが一緒になってできたホテル・カンパニです。その後セザールリッツはアメリカに進出し、ニュヨークやボストン、フィラデルフィア、ワシントンなどの大都市にラグジュアリー・ホテルを展開しました。しかし文化の違いからか、アメリカのマーケットでは支持を得られず、当時もっともヨーロッパ的であったボストンの一軒だけが、
その後もデラックスホテルとして営業を続けていました。
ときは流れて1983年アメリカではアトランタの不動産王w・ジョンソンが「モナーク・ホテル」の立ち上げを計画していました。
合理性を追求するのではなく、お客様一人ひとりを大切にするという理想を掲げ、それに賛同するホテリエたちが終結して新しいホテルを立ち上げようとしていたものです。
モナーク・ホテルを建設している最中、リッツカールトン・ボストンが売りに出されるという知らせが
W・B・ジョンソンに届き、そこで所有権や商標権を買取しました。
こうして誕生したのが、リッツカールトンの伝統とモナーク・ホテルの理想を併せ持つ現在の
「リッツカールトン・ホテル・カンパニ」です。会社をスタートさせた1984年、W・B・ジョンソンの
もとに集まったホテリエたちは、「リッツ・カールトンはお客様や従業員にとってどんな存在であるべき
なのか。そのため私たちは何をすべきなのか」徹底的に話し合いました。
その結果を一枚の紙にまとめあげました。その内容こそがクレドです。
クレドとはリッツカールトンの理念や使命、サービス哲学を凝縮した不変の価値観であり、時流や
地域性に左右されるものではない。
クレドはマニュアルではありません。マニュアルは従業員の言語や文化的背景、あるいは教育レベルが
多様化しているアメリカ社会に発達したもので、頭で理解させて守らせるルールです。
クレドは心で納得して実践するものです。同じ感性と、価値を共有した人がほんとうに心からクレドに納得していればマニュアルのように細かい決まりを定めなくとも、自然に同じ振る舞いができるというのがクレドの基本的な考え方です。
クレド
リッツ・カールトン・ホテルは
お客様への心のこもったおもてなしと
快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ
そして洗練された雰囲気を
常にお楽しみいただくために
最高のパーソナルサービスと施設を
提供することを約束します。
リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、
それは、感覚を満たすここちよさ、
満ち足りた幸福感
そしてお客様が言葉にされない
願望やニーズをも先読みしておこたえする
サービスの心です。
従業員への約束
リッツ・カールトンではお客様へお約束したサービスを提供する上で、 紳士、淑女こそがもっとも大切な資源です。
信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは、個人と会社のためになるよう、 持てる才能を育成し、最大限伸ばします。多様性を尊重し、充実した生活を深め、 個人のこころざしを実現し、リッツ・カールトン・ミスティーク(神秘性)を高める… リッツ・カールトンは、このような職場環境をはぐくみます。
サービスの3ステップ
1あたたかい、心からのごあさつを。お客様の名前でお呼びするよう心がけます。 2お客様のニーズを先読みしおこたえします。3感じのよいお見送りを。 さようならのごあいさつは心をこめて。できるだけお客様のお名前をそえるよう 心がけます。リッツ・カールトンの初代社長であり、クレドをつくった創立メンバーの中心人物であったホルストシュルツィは、講演会でリッツ・カールトンの成功の秘密を良く聞かれたそうです。
すると彼は、懐からクレドを取り出して、必ずこう答えたといいます。
「秘密はこれしかない。このクレドカードがすべてだよ」
クレドは人が人と接するとき大切にしたいホスピタリティ(おもてなし)の精神をしめしたものといえる。
サービスとホスピタリティの違いについて リッツ・カールトンニューヨークのバーテンダー、ノーマンのおもてなし
彼のスタイルはとてもユニークでフレンドリー。カクテルやロングドリンクを作り終えると
「どうだい、スティーブ、あんたのために最高のマティーニを作ったぜ!」
「ジェシー、見てごらん、このアレクサンダーの出来を…」
などと言いながら、お客様の前にグラスを置きます。
そしてノーマンはそのドリンクをさらに六インチ、お客様のほうに、すうっとずらして進めながら、
満面の笑みを浮かべて一言、「エンジョイ」と声をかけるのです。
この一連の動作と絶妙なタイミングで、お客様はみんな、彼のファンになってしまう。
まさにノーマンマジックです。
あまりにも見事なので、あるパーティの席で、私はなぜ六インチお客様のほうにグラスを進めるのかを
ノーマンに聞いてみました。
「自分はゲストを大切に思っている。ドリンクを六インチ進めるのはゲストの心に触れるプロセスなんだ。
そうやって自分のLOVE(愛情)をゲストのハートに送り込むのさ」
まさにサービスを超えて、ホスピタリティーに昇華する瞬間です。
ここで大切なのは、「心のこもったおもてなし」という言葉について真剣に考え、実践することです。
会社が従業員に約束してくれること エンプロイ・プロミス
リッツ・カールトンではお客様へお約束したサービスを提供する上で、紳士、淑女こそがもっとも大切な
資源です。
信頼、誠実、尊敬、高潔、決意を原則とし、私たちは、個人と会社のためになるよう、
持てる才能を育成し、最偉大現に伸ばします。
多様性を尊重し、充実した生活を極めつね個人のこころざしを実現し、
リッツ・カールトン・ミスティーク(神秘性)を高める…リッツ・カールトンは、このような職場環境をはぐくみます。
従業員を紳士、淑女として尊重し、才能を伸ばすために最大限の教育の機会を用意すること。
そして個人個人の夢を実現するお手伝いすること。
さらに充実した生活が実感できる職場環境を整えていくこと。これらのことを従業員に対して約束してくれているのです。
企業にとって最も大切な財産、プロフェッショナルである「人財」と明確に捉えているのです。
当然そこには、従業員としての強い責任感が求められ、プロとしての義務も生じます。
そこで初めて企業側と従業員との間に、本当の意味でのパートナー関係が出来上がります。
ところが、いまだに多くの企業は、この関係が逆になっています。
「私たちはこの規則に従います。会社に対して○○はいたしません」というように、従業員が会社に対して約束させられるだけというのが一般的だと思います。
会社が約束してくれるのか、それとも従業員が約束させられるのか。
この二つの考え方で大きく違うのは、会社と従業員の信頼関係の強さでしょう。
私がリッツ・カールトンに入社して強く意識するようになったのは、
やはり仕事への責任感と充足感でした。
会社が信頼してくれているのだから、その信頼にぜひ応えたい。そんな気持ちに自然となっていったのです。
「リッツ・カールトンのスタッフはみんな楽しそうに仕事をしているね」お客様のそう指摘されるのは
、自分から創造的に仕事を行うことで得られる誇りや喜びが大きく違うからなのです。
これもすべて、会社が全社員に大きな無信頼を寄せ、我々も会社を信じて日々の仕事にまい進しているからこそ得られる評価だと思うのです。
「紳士、淑女にお仕えする我々も紳士、淑女です。」クレドカード
We Are Ladies and Gentlemen (紳士、淑女にお仕えする私たちも紳士、淑女です)
Serving Ladies and Gentlemen
従来、従業員はあくまでもサーバント(給仕する人)であり、お客様が上、従業員は下の関係のもとに
サービスが行われていました。それではお客様とのコミユニケーションが取れず、人間対人間の信頼関係を築くことは難しくなります。
心の通ったサービスをするには、お客様と従業員が同じ目線を持って尊敬しあうことが必要不可欠。
顔が見えなくても笑顔で電話を取る
ちょっとした言葉の使い方、声の張り、目線の動き、歩くときの姿勢、制服の着方、肌のつや…お客様は五感すべてを使ってこれらを無意識のうちに感じ取ります。
クレドは心から納得するまで繰り返し考える
社訓との違いは浸透度。クレドは従業員か゛本当に心から納得できるまで何十回でも何百回でも
繰り返し読みます。頭で理解しているレベルから心から納得できるレベルまで何度でもてす。
アメリカで開業準備しているときパートナー企業の担当者の方と何度もミーティングを重ねました。
当時の社長であるシュルツィはクレドを読み上げ、続いて先方の役員の方々にも読んでもらいました。
読み終わると、彼は先方に取締役に質問しました。
「このクレドはあなたにとってどういう意味がありますか?」取締役がが自分なりの解釈で答えると
「あなたはまだ十分にクレドを理解していないと言って、再びクレドを読み上げていったのです。
説明をしながら読み上げていくと40分はかかります。それを二度も繰り返すので、会議も先に進まず
その日はクレドの研修に終始しました。彼は会議のたびにこれを繰り返したのです。
シュルツィにとって最上位のプライオリティ(優先順位)は「クレドを自分と同じレベルで共有できるかどうか」という点です。たとえ実務レベルでどんなに話が進んだとしても、クレドが理解されなければ
ホテルは開業してはいけない。
クレドを自分のものにする。
クレドがホテル業界でブームになり下火になった理由について
1 クレドをマニュアルとして捉えられ深いところで理解されていなかった。
感性の羅針盤で問題に直面した時、の行動指針
2 社員に浸透させるための仕組みづくりがなされていなかった。自社のクレドをつくりました。
大切に机の引き出しにしまってあります…
毎日のラインナップ(朝礼)では全世界の三万人近い従業員が、同じリッツ・カールトン・ベーシックに
ついて考える時間がとられます。それを何十年コツコツと続けることで、、継続を力としていく
仕組みが生まれます。
クレドは表現を変えたり新たな項目を追加したりされています。
ラインナップのときや社内の会議で、意識の高いスタッフはゴールドスタンダードをむ進化させるために
さまざまな意見を出していきます。
こうした声は本社に吸い上げられて、誰の提案でもきちっと記録され評価されます。
この現場の意見を認知するという仕組みが大事で、「ゴールドスタンダードは自分たちが作り実践するものだ」という意識を強く持っている。
ザ・リッツ・カールトン・ベーシック
1 クレドは、リッツ・カールトンの基本的な信念です。
全員がこれを理解し、自分のものとして受け止め、常に活力をあ与えます。
2 私たちのモットーは、「We are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentleman」
です。私たちはサービスのプロフェッショナルとして、お客様や従業員を尊敬し、
品位を持って接します。
3 サービスの3ステップはリッツ・カールトンのおもてなしの基盤です。お客様と接するたびに、
必ず3ステップを実践し、お客様に満足していただき、常にご利用いただき、ロイヤルティを
高めましょう。
4 「従業員への約束」はリッツ・カールトンの職場環境の基盤です。すべての従業員がこれを尊重します。
5 すべての従業員は、自分のポジションに対するトレーニング修了認定を受け、毎年、再認定を受けます。
6 カンパニの目標は、すべての従業員に伝えられます。これをサポートするのは、
従業員一人ひとりの役目です。
7 誇りと喜びに満ちた職場を作るために、すべての従業員は、自分が関係する仕事のプランニングに
かかわる権利があります。
8 ホテル内に問題点がないか、従業員一人ひとりが、いつもすみずみまで注意をはらいましょう。
9 お客様や従業員同士ののニーズを満たすよう、従業員一人一人には、チームワークと
ラテラル・サービスを実践する職場環境を築く役目があります。
10従業員一人ひとりには、自分で判断し行動する力が与えられています。(エンパワーメント)
お客様の特別な問題やニーズへの対応に自分の通常業務を離れなければならない場合には、必ずそれを受け止め解決します。
11 妥協のない清潔さを保つのは、従業員一人一人の役目です。
12 最高のパーソナルサービスを提供するため、従業員には、お客様それぞれのお好みを見つけ、それを記録する役目があります。
13 お客様をひとりとして失ってはいけません。すぐにその場でお客様の気持ちを解きほぐすのは、従業員一人一人の役目です。
14 「いつも笑顔で。私たちはステージの上にいるのですから。」いつも積極的にお客様の目を見て応対しましょう。お客様にも、従業員同士でも、必ずきちんとした言葉づかいを守ります(「おはようございます。」)
「かしこまりました。」「ありがとうございます。」
15 職場にいる時も出た時も、ホテルの大使であるという意識を持ち増し様。いつも肯定的な話し方をするように心がけます。何かきになることがあれば、それを解決できる人に伝えましょう。
16 お客様にホテルの場所をご案内する時には、ただ指さすのではなく、その場所までお客様をエスコートします。
17 リッツカールトンの電話エチケットを守りましょう。呼び出し音3回以内に「笑顔で」
電話を取ります。お客様のお名前をできるだけ呼びましよう。保留にする場合には、
「少しお待ちいただいてよろしいでしようか?」
とおたずねしてからにします。電話の相手の名前をたずねて接し方を変えてはいけません。
電話の転送はなるべく避けましょう。また、ボイスメイルのスタンダードを守りましょう。
18 自分の身だしなみには誇りを持ち、細心の注意を払います。従業員一人一人には、リッツカールトンの
身だしなみ基準に従い、プロフェッショナルなイメージを表す役目があります。
19 安全第一に考えます。従業員一人一人には、すべてのお客様と従業員に対し、安全で事故のない
職場を作る役目があります。避難・救助方法や非常時の対応すべてを認識します。
セキュリティに関するあらゆる危険な状況は、ただちに連絡します。
20 リッツカールトンの資産を守るのは従業員一人一人の役目です。
エネルギーを節約し、ホテルを良い状態に維持し、環境保全につとめます。
Don`t think Feel Let`s have fun 「心のためのチキンスープ」アルリカの慣用句で「心暖める行動や話」
を非常に大切にする。
リッツカールトンの面接内容 高野登氏が一対一で受けた内容。
・最近どんな本を読みましたか? その本のどこに感動しましたか?
・先月、自分の家族を喜ばせるために何をしましたか?
・同僚があなたに協力的でなかったらどうしますか?
人間性や性格を探る質問が中心で、実績やスキルについてサラリと触れた程度。
採用基準としてその人固有の性格、や価値観、といったパーソナリティを重視。
新人に完成を発揮できるチャンスを与える。改善、提案の場を設ける。
→グッドアィディアボード
日本では言い出せず人事考課に響く場合も。
毎朝の「ラインナップ」(朝礼)が社員を育てる。ディスカッション形式で司会役が投げかけた
質問をみんなで考えて話し合います。今週はクレドについて来週は「モットー」について
目指す年収の5%を自分に投資する。
トップ5%の感性を大切にする。
リッツカールトンでは、ニーズの先にあるものそれを「お客様が言葉にされない願望やニーズ」と
呼びそれを先読みしてお応えすることを使命にしています。
お客様ご自身が想像すらしていなかったサービスを提供することで感動を引き起こす。
ディズニーマジックに対して「リッツカールトンミスティーク」と呼ばれています。
2016年11月15日 リッツカールトン大阪
超一流の雰囲気を少し味わってきました。^^
今回は「炭火焼ランチ」にしました。
雰囲気も良く、素材を厳選し、盛り付けよし、味付けよし
さりげなくどちらからどちらまでとコンタクトがあり
親密感を持つようにされていました。
最初にアレルギー反応を聴かれたので
揚げたものは避けて欲しいと希望を出しました。
お味噌汁に入る油揚げでも油抜きしていないと食あたりすると・・・
ちゃんと油抜きしたものが出ました。
料理長自らごあいさつに来られお客様の反応を
大切にされていました。
寿司、てんぷら店でも良かったのですが
こだわりがあり避けました。
寿司は江戸前寿司で口の中で炸裂する至福の喜びのお寿司を知ってから・・・
揚げ物は山の上のホテル、日本海、
酸化した揚げ油を使用しない・・・
帰りにフロントでホテルの案内をもらうため聞くと
編集中のため現在切らしています。
いつごろ出来上がるのかの問いに未定です…と
次回来る時の参考にしようと思いましたが・・・
お送りしますとのお話が出なかったので
ご縁がなかったものと帰りました。
https://www.ritz-carlton.co.jp/restaurant/hanagatami/